まもなく開催となる「SOWL VILLAGE 2019」
会場内を3つのエリアに分けた「MAIN STAGE」「CLUB AREA」「Lafayette LOUNGE」、どのエリアにも自由に行き交うことができるのがSOWL VILLAGEの醍醐味です。それぞれのエリアには異なる魅力が盛りだくさん!
ということで、SOWL VILLAGEを目一杯楽しんで頂けるように各エリアを演出するプロデューサー陣を紹介する特別企画をお届けします!!
第一弾は、Lafayette LOUNGEをプロデュースするアパレルブランド Lafayette より、KOYANAGIさんとAKIRAさんのお二人にお話を伺いました。
——-
本日は、お忙しいなか時間を割いていただいてありがとうございます。よろしくお願いします。
KOYANAGAI & AKIRA
よろしくお願いします。
『アパレルとしてできるような動きをしています』
——-
早速ですが、まずは近況を教えていただけますでしょうか?
KOYANAGI
2月の頭にPRIVILEGE高崎、2月16日にHOTEL LAFAYETTEが横浜にオープン、あと、ニューヨークの店舗が移転して、3月9日にリニューアルオープンしました。
——
Lafayetteが企画しているパーティーがいくつかあると思うんですが、どんなものがありますか?
KOYANAGI
周年パーティーを昔は毎年やっていたんですけど、最近は開催していないです。レギュラーパーティーとして『VIRGIN』をAKIRA主体で12月までやっていました。あとは、このインタビューを受けてる場所Free Cultureにて『goody goody』というイベントも不定期に開催しています。こちらのパーティーはスピンオフで夏に海の家の葉山OASISでも開催しています。
AKIRA
VIRGINを定期的にやっていたのは去年の12月まで。今年からは体制を変えて、何かオープンしましたとか、コラボ的な動きがあったときにスポットで入れていこうかと思っています。あとは、4月から東京で自分企画のパーティーを始めます。東京の方にアパレルの人達が沢山いらっしゃるんで、そういうところでメインっていうよりかはLafayetteがサポートで仕掛ける感じで動いていこうかなと思ってます。
——
なるほど、そのパーティーはどういった内容ですか?
AKIRA
4月27日からですね。年3回くらいVIRGINと同じような感じで、東京渋谷のR Loungeでやろうと思っています。メンツとしては、僕がまた別で関わっている『NAVIGATOR』っていうパーティーがあるんですけど、そこのDJ陣、OZROSAURUSのDJ SN-Z、BLACK GOLD SOUNDのLUKE、8MAN、TAKEFUNKが中心になって、東京のメンツも参加しつつっていう感じですね。
——
SOWL VILLAGE 2018のLafayetteラウンジでは、ナビゲの皆さんに盛り上げてもらいましたね。
KOYANAGI
昨年のSOWL VILLAGEのラウンジはナビゲが上手くハマってました。今後もこのイベントはLafayetteがサポートしていく形になると思います。
AKIRA
NAVIGATORのメイン開催は横浜なので、Lafayetteがサポートという形で入りまして。前回1月の開催で、Lafayetteがサポートしてるラッパーの『Leon Fanourakis』っていう若い子がいるんですけど、その子が成人したということで、初めての深夜帯のライブをナビゲでやってもらって。その時に限定のポップアップでしか出してなかったアイテムを協賛で出して、実際みなさんに着ていただく、っていうようなプロモーションですね。アパレルとしてできるような動きをしています。
——
そういった動きが今後ナビゲに加わってくるって事ですか?
AKIRA
そうですね。それにプラスして、1年の中でスポット的なパーティーに差し込みで協賛に入れれば、というふうに思っています。
KOYANAGI
もともとAKIRAは横浜のパーティーを支えてきたというか、Lafayetteに入る前から自分でプロデュースして仲間を集めてやったり。
AKIRA
今は無き『BAYSIDE YOKOHAMA』や『Yokohama Bay Hall』とかでもやっていました。その頃からLafayetteのオリジナルメンバーとは付き合いがあったので、今もそこは自分の使えるところを使ってもらうという感じですね。
——
Lafayette以前からイベントプロモーターとして動いていたんですか?
AKIRA
そうですね。
KOYANAGI
逆に自分たちが遊びに行っていた立場。
AKIRA
そこに協賛でLafayetteに入ってもらったりとか。チカチカキャッスルっていうパーティーをベイサイド丸々使ってやっていて。それこそ今では珍しくないんですけど、ポールダンスを入れたり、何百万円、何千万円もかかっているような車を展示したりとか。あと、夏祭りみたいなこともやったりして。そのときに見たことがある人もいると思うんですけど、ちょうちんに名前を入れて。
——
Lafayetteのちょうちん見たことあります。
AKIRA
あれはウチらの企画で作ったもので、2年連続で協賛してもらったり、個人的にはなんだかんだ10年くらいLafayetteとは付き合いがありました。今はLafayette側として働かせてもらっているんで、そういった自分の媒体も使って、逆にLafayetteとして打ち出せるものがないかってことで色々動いています。
——
そのような経緯でLafayette企画のパーティーの幅が更に広がったのですね。ちなみに、KOYAさん主体のパーティー『goody goody』開催の予定はないのですか?
KOYANAGI
今のところは予定はしてないんですけど。別で『MARKESTA』という”藤沢の街を盛り上げましょう”っていう企画を個人的に動いています。らんぶる街っていう商店街と一緒に組んで、昼間はマーケット、夜は『MATTARI』っていう店でアフターパーティーを企画しています。そのアフターパーティーはgoody goodyに近い内容で、バンドがいてDJがいて、今回はゲストDJにKENTA(ZZ PRODUCTION)を呼んで、藤沢感よりもちょっと横浜のエッセンスを入れました。
KOYANAGI
藤沢の商店街と組んで、藤沢を盛り上げていくような、そういった行動は別にも色々しています。Goody Goodyは夏に『葉山OASIS』でやろうっていう話をしています。
——
今夏のオアシスも期待できるってことですね。
KOYANAGI
そうですね。OASISは夏に葉山森戸海岸に突如と現れる『音の楽園』なんで、そこでイベントが出来ること自体が光栄だと思ってます。昨年は初めてTAKESABUROとKoRoを呼んでダンスのセッションもありました。今年も必ず皆さんが楽しめるようなイベント企画を考えています。
『 20年1周期じゃないですけど、回ってきてまた新しい形で生まれ変わってますね 』
——
今回、Lafayetteの方とお話ができるということで、ファッションについても伺いたいのですが、最近のストリートファッションの傾向をどう捉えていますか?
AKIRA
僕らがクラブに行き始めて1番遊んでた頃が2000年代で、その頃のファッションが違った形でリバイバルしてるなっていうのを感じるところがあって、世間的に言えば、90’sの古着だったりオーバーサイズも流行っていますね。
——
OLD TO THE NEWですね。
AKIRA
そうですね。その時のファッションがクラシックになっているというのが自分達からすると新鮮です。
——
2000年代のヒップホップファッションの特徴を教えていただけますか?
AKIRA
多分派手になり始めた時代だと思う。
KOYANAGI
バスケジャージとか?
AKIRA
The Diplomatsが出てきたり、サウスが流行ったり、ジュエリーをいっぱいつけたような、きらびやかな感じがフォーカスされていましたね。音楽面でもLil Jonが出てきてテクノ系の音が入ってきたり、色々と進化した年代ではあったのかな、よく同世代でいい時代にいたよねって話をしています。多分90年代っていうのは、ヒップホップやブラックミュージックのベースが確立されてきている年代だと思うんですよ。そこはそこですごい良いものがあって、2000年代はすごく変化のあった年だったのかなって思う。
KOYANAGI
それこそUsherとか、ああいうダンスを取り入れてきたのも2000年?
AKIRA
そうですね、2000年代ド真ん中だとMarques HoustonやB2Kとか、あと映画もあったり。
KOYANAGI
Omarion。
AKIRA
ダンスでいうと、Omarionの『You Got Served』やJessica Albaの『ダンス・レボリューション』といった映画の公開があったり、KRUMPが出てきたり、、、ダンスはやらないんだけどヤバいみたいな。多分ダンスも1番派手だったときだと思うんで、ブラックカルチャーがヤバいっていうインパクトがありましたね。
—–
確かに。そんな2000年代に影響を受けた人たちが今のファッションのメインストリームを走っていると考えたら、90年代を生きた世代からすると、派手になってきらびやかになったと感じますね。最近の傾向としては、昔よりスタイリッシュになった感じがしているのですが…
KOYANAGI
その流れで言うと、90年代のラルフローレン 92・93シリーズとかが今になって復刻して。その着方っていうのは、昔のダボダボではなくて、下はスキニーで上は大きめとか。それは90年代には無かった着方ですね。
——
ナイロンジャケットの着こなしとかもそうなっていますよね。
KOYANAGI
そうですね、上はやっぱり大きめに着てても下はシュッとしてますもんね。それって昔では考えられない。
——
僕も昔はW36のデニム履いてました。
KOYANAGI
太ければ良いっていう時代がカッコよかった。それが20年1周期じゃないですけど、回ってきてまた新しい形で生まれ変わってますね。
——
時代と共に感覚がアップデートされているってことかもしれませんね?
KOYANAGI
今の10代とか20代の子達は、当時のファッションをリアルタイムでは見ていないんだけど、映像とかで見たりしているんじゃないかな。消化の仕方が違うので新鮮に感じますね。
『 中身がカッコよければ、その人が着てるものもカッコよく見える 』
——
では、オシャレになりたい!と思っているヘッズ達にアドバイスはありますか?
AKIRA
僕は今、お店に立つ機会は減ったんですけど、お客さんや若い子と話すときに、今のJAY-Zの格好を引き合いに出すんですよ。今のJAY-Zってダボダボの格好なんて全くしてないじゃないですか。あれってちゃんと理由があって、ヒップホップっていうのが反骨の音楽ではなくて一般的に認められている。特にアメリカでは当たり前。ビルボードのチャートでも必ず上位に入るようなジャンルとして、カルチャーとして認められるようになった。
ファッションも昔の “だらしなさ” や “ストリートらしさ” っていうものでヒップホップを表現する必要がなくなってしまって。良いものは着てると思うんですけど、黒いTシャツに黒いデニムで黒いティンバーランドを履いて軽くチェーンだけして、それでベントレーに乗ってるとか。でもそれはJAY-Zだからカッコよく見えるっていう。ああいうのはやっぱりバックボーン、ヒストリーがあるからだと思うんですよね、雰囲気とか醸し出すものとかを加味した上で考えて。
例えば日本だとMUROさんとか。MUROさんはモロな格好をしてないと思うんですよ。だけど知らない人が見てもストリート系だと分かっちゃう。それって多分、MUROさんが今まで築いてきた歴史とか、いまだに前線にいるからこそ醸し出すオーラっていうか、そういうものが色々混ざり合ってイメージを作っていると思うんですね。だからあの人がノースフェイス着るだけで全然違く見えるし説得力もある。僕はそういう見方ですね。
——
なるほど。まずはバックボーン「自分自身」ということですか?
AKIRA
内面というか、どうしても滲み出てきてしまうようなもの、そういうものかと思います。
——
それは神髄を突いている気がしますね。KOYAさんはいかがですか?
KOYANAGI
昔に比べて今はいろんなブランドがあるんですけど、そのブランドの価値を判断できている人があまりいないんじゃないかと思いますね。値段や誰かが着てるとか、そっちのほうが先行しちゃって。
それはそれで良いと思うんですけど、そこにはちゃんとカルチャーがあって、ブランドをやっている人もそれを周知して詳しい人だったりするので、そういった点を理解していけると良いと思います。
あと、ライフスタイルが大事。ライフスタイルに合った格好をしているか?というところを見ちゃうんですよね。中身がカッコよければその人が着ているものもカッコよく見える、そういうセレクトをしていると思うし、そこがやっぱり1番だと思います。
『 いかに引き算をするかがポイント 』
——
では、オシャレになりたいと思っているヘッズ達へアドバイスをお願いします。
AKIRA
僕なんかは20代、コテコテに良い格好をしていて、何百万とお金をかけたこともありました。2000年代はロックの格好をし始めた時代だったので、デニムが5、6万とか平気でしていましたし、そういうのにもお金をガンガンかけてたんですけど、結果やっぱりシンプルに辿り着きました。特にアジア系の人たちはこうがガチャガチャと着飾りたい傾向があると思っているので、いかに引き算をするかがポイントだと思ってます。
——
なるほど。
AKIRA
これは教わってきている部分なのですが、真っ黒なTシャツでも蓋を開けてみたらヴィトンだったり、そういうのが本当のオシャレなのかなと、さっきのJAY-Zの話じゃないですけど。
もともと自分がファッションを教わってきたのは両親で、高校生の時ってブランド物を欲しがったり持ってたりするじゃないですか?バーバリーのマフラーとかラルフローレンとか。
その頃、母親に言われたのは「白髪の品の良いおばさまがモノグラムのバッグを持っているのと、あなたと同じ高校生の女の子がモノグラムのバッグを持っているのは、どっちが本物に見える?」って言われたときに、僕は迷わず、おばさまだ、って答えたんですけど、それはなんで?って聞かれて、雰囲気が合ってるっていう答えしか言えなかった事があったんです。
今はそれが納得できる。何も着飾っていなくても、シンプルなトレンチコートを着ている人が前から歩いて来て、風が吹いたときにチラッと見える裏地がバーバリーのタータンチェックで「あ、すごいオシャレだ」っていう。やっぱり良いものを着るにしても何を着るにしても、いかにシンプルで、服も引き立たせて、自分も引き立たせられるか、というところだと思います。だから、僕もあれだけ派手な格好してたのに今は無地とか着てるのかなと。
——
そうなるには自分の事をよく理解することが大事ですね。
AKIRA
自分が1番毛嫌いしている格好とか色ほど自分に1番合ってたりするので。もちろんファッションを色々と楽しむ必要はあると思いますし、トライすることで自分を知っていけば、自ずと良い格好ができる=オシャレに繋がると思いますね。
——
KOYAさんはいかがですか?
KOYANAGI
まずキッカケとして誰かに憧れるというか、何かに興味を持つという好奇心が1番大事なのかなと。憧れの人の格好を真似するところからファッションが始まるんだと思います。また、そういう人が身近にいるかどうかで変わってくると思う。カリスマみたいな人がいたとしたら、その人の真似から始まって、そこから徐々に自分色に染めていくのがカッコよくなる秘訣だと思いますね。結局最後は自分に戻ってくるところなので、キッカケとなる好奇心、それがある人はオシャレになると思います。
『意外とありそうで無いメンツ』
——
今年のLafayetteラウンジの内容はどんな感じですか?
KOYANAGI
DJ陣は、LUKE (BLACK GOLD SOUND)、K.DA.B、RIO (KING LIFE STAR)、URUMA (D.L.I.P)、RUSTY JUKEの5名ですね。
—–
このキャスティングになった理由を教えてください。
KOYANAGI
去年は、さっき話にも出ていたナビゲのメンバーでやってみたんですけど、マイクを握れるDJが多くて、その点が評判も良かったので今年も同じ方向性で考えました。AKIRAと同世代のRIO、K.DA.B、LUKE、彼らはマイクを握れるDJで、この3人で開催していたイベントが今は無くなってしまったので集まれたら面白そうだなと。そこにURUMAやRUSTYが加わると、意外とありそうで無いメンツになって、それこそSOWL VILLAGEで見たいという気持ちになったので、このキャスティングに決まりました。
——
どういう風に遊んでもらえたら嬉しいですか?
KOYANAGI
音楽を聴けて心地よい空間、プラス、お酒を飲んでコミュニケーションをとるのが、あの場所に合っていますね。DJ達もそういう選曲をしてくれますし、女の子を引っかけるのを煽ってくれたりもするので、そういった楽しみ方はラウンジが適していると思います。メインステージは見たり聴いたり、クラブエリアは踊るのがメインだと思うので、それ以外の楽しみをラウンジで提供するのが1番の目的です。
——
なるほど、そこを楽しみに来てほしいですね。
KOYANAGI
そうですね、会場でお待ちしています。
– Lafayette –
https://lafayettecrew.com/
– PRIVILEGE –
https://privilege.co.jp/
– Instagram –
KOYANAGI : @a_toy
AKIRA : @akilla_tls
< 取材協力 >
Free Culture
〒251-0052 神奈川県藤沢市藤沢556 辰己 ビル 1 階
多彩なカルチャーを織り混ぜた場所にすること。ウッディーで落ち着いた雰囲気の中でゆったり食事ができること。さまざまな場所を旅して来たオーナーが、アメリカやアジアなどのテイストをミックスさせて作り上げたオリジナリティー溢れる空間で、こだわりのフードとドリンクを提供している藤沢の人気店。
< あとがき >
ファシッョンへのアプローチ、そこにある考え方は、ファッション=自己表現として捉えて共感することが多く、筆者にとっても発見のある話を聞くことが出来ました。どこから来てどこへ向かうのか、時代の捉え方や回り方、全てが繋がっていますね。SOWL VILLAGEのラウンジ空間を作り上げている人たちの日頃の活動と魅力を伝えたいと考えてお届けしました。余談ですが、SOWL VILLAGE 2019の会場でファッションスナップを撮影してファッションチェック、お二人に選考していただき、選ばれた人にはLafayetteのアイテムをプレゼントする企画。そんなアイデアも出ていますので、是非、当日は自分流のオシャレをして会場へお越しください。
インタビュアー : KENTA a.k.a QENTZ
ヒップホップカルチャーを伝え残すHIPHOP村おこし”SOWL VILLAGE”の発起人。DJやラッパーに囲まれたヒップホップ育ちのダンサーであり、DEVELOP MAKER,monograph,XXX-LARGEなどのチーム活動を経て、現在は、地元湘南に拠点を置き、STUDIO RONDやLocal Foundationの看板を掲げてスタジオ経営やイベントプロデュースなど幅広い活動を行なっている。
Instagram : @qentz