SOWL VILLAGE2020 特別企画 東西アーティスト対談インタビュー 【WEST SIDE : HONGOU×Jambo Lacquer】

3月27日開催の「SOWL VILLAGE2020」今年も全国から名だたるアーティストが集結する。前身イベント”STRAD”から数えて10回の節目を迎える今年。出演アーティストをより詳しく知るための対談インタビューをお届け!

 

第二弾は”WEST SIDE”ということでダンサーHONGOUとラッパーJambo Lacquerによる対談!
それぞれのスタイルに通じる衝撃エピソードや知られざる心境を余すことなく語ってくれた。

 

 

ー強烈な個性を創り出した生い立ちー

 

HONGOU×Jambo Lacquer
乾杯!

 

―本日は宜しくお願いします。ざっくばらんに色々お話しを聞かせていただければと思います。

 

HONGOU
なかなか二人でゆっくり話すこともないよな。ジャンボは音楽自体はいつ始めたの?

 

Jambo Lacquer
まず、母親が音楽好きだったので物心がつく頃から音は聴いてて、小さいときに同じマンションのエレクトーン教室に兄貴と一緒に習いにいったりしてました。

 

HONGOU
兄ちゃん(MICHEL☆PUNCH)との曲もいいね。兄弟で一緒に音楽やるってすごいことやと思う。

 

MIIDA2 / Session Rec「蕾」

 

Jambo Lacquer
小4の頃に兄貴の友達のdrummerが目の前でドラム叩くところを見て衝撃を受けて、そこからドラムを習い始めました。その人はJAZZのdrummerだったんですけど、FUNKのドラムを聞かせてくれましたね。それこそJames BrownのCDを貸してくれたり。そういう流れでビート作ったりも中学からやってました。

 

HONGOU
ジャンボはサラブレットやと思う。俺の生い立ちは音楽には縁がないわ!まず、俺山育ちやねんけど家の近所に猟師さんが多くて散弾銃でスズメとかよくとってきてくれて。そのスズメを食ってた。ジャンボとの違いがやばいよな(笑)

 

Jambo Lacquer
スズメ食べるってすごいっすね(笑)

 

 

―自分が初めてJambo Lacquerさんの音源を聴いたのはYoutubeで公開されている「J-L」です。そのMVにはポッパーのAckyさんが出演されていて「Jambo Lacquerさんの師匠はAckyさん?」という認識でした。

 

Jambo Lacquer 「J-L」 PV

 

Jambo Lacquer
ありがとうございます。自分はダンスは15歳くらいから始めました。深夜にやってた「チャクッテ」っていう番組を観て衝撃を受けて。でも高校にはダンス部もなかったから、ダンス踊ってる先輩に直接「教えてください」ってお願いしにいくんですよ。そしたらその人がたまたまAckyさんのレッスンに行ってて、一緒について行かせてもらったって感じですね。Ackyさんとはその頃からの付き合いです。結構高校の頃はしっかりショー作り込んだりしてやってましたね。Dance Attackとか出てました。

 

HONGOU
そうか、がっつりやってたのか。高校んときのチーム名は?

 

Jambo Lacquer
「WILL BE」です(笑)

 

HONGOU
しゃれてるな!俺の高校の最初のチームなんか「ち○毛」やで! なんかまたサラブレットとの差ができてしまってる(笑)

 

Jambo Lacquer
「WILL BE」も今からすると恥ずかしいですけどね(笑) 今のWARAJIのメンバーのPLF(ピラフ)と二人で組んでました。公園の自販機の電気抜いてラジカセのコード繋げて、窓を鏡がわりにして練習してました。でも公園っていろんな人が来るんですよ。シンナー中毒の若者のグループが来て理不尽にキレてきたり(笑)あとはエロ本の撮影みたいなのに付き合わされた時もありましたね。

 

―どういうことですか?(笑)

 

Jambo Lacquer
ある日僕らが練習してるところに、女の人とカメラを持った男の人が近づいてきて。「練習してるところ見ててもいいですか?」って言われて。そこまで気にすることなく練習してたら、今度は「お兄さん達と一緒に写真を撮らせてもらえないですか?」って頼んでくるんですよ。その女の人と僕らで並んで写真撮って。その間カメラマンは黙ってるんですよ。で、よく見たら女の人が着てる服がスケスケなんですよね!下着も何もつけてなくて。で、「次は服を脱いで写真撮ってもいいですか?」って頼まれて!

 

HONGOU
やば!めっちゃ怖いな!

 

Jambo Lacquer
今やったら確実に「こわ…」ってなるんですけど、その当時そんなこと言われた場合のかわし方が分からなくて(笑) で、全裸の女の人と写真を撮るという。あとあと「あれエロ本とか載ったんちゃうか」って話になりました(笑)

 

 

―Jambo Lacquerさんのホームである服部緑地公園には、いろんな方がいたんですね…。HONGOUさんが地元でダンスを始めた時はどんな環境でしたか?

 

HONGOU
地元に唯一、一個だけレコ屋があって、そこで働いてるドレッドのかっこいい人が先生だった。レッスンやるってなったらレコードの箱とかを全部はしに寄せてその先生がかける音源でレッスンする。で、レッスン終わりにその音源をテープで買わされるっていう(笑) そのテープの中にSWVのRIGHT HEREが入ってたのは覚えてる。

大阪来てからは芸大で練習してたから、変な奴に絡まれるとかはなかったけど、ある日掃除のおばちゃんに「あんたらよくここで練習なんかできるなあ。ここ昨日自殺あったんやで!」って言われたことはある…。

 

Jambo Lacquer
怖いっすね…。芸大ではよくあることなんですか?

 

HONGOU
やっぱり芸術を志す人ってトんでる人が多いから時々死ぬ人もいたな。

 

―関西弁は異国のスラング―

 

―Jambo LacquerさんはBomja Break(ボンジャブレイク)というビートメイカー/プロデューサーとしての名前もお持ちですよね。まずはその名前の由来が気になります。

 

Jambo Lacquer
以前から、一部の友達からJamboをひっくり返して「ボンジャ」って呼ばれてたんですよね。で、自分のビートメイカーとしての名前を考えるときに「じゃあBomjaって入れようか」っていう流れで決めました。

 

HONGOU
ジャンボのインスタにあげてるビートとかめっちゃ気持ちいい!アメ村におったらああいうビートは作れないと思う(笑)

 

Jambo Lacquer
そうですね。ずっとチルな曲が好きで、そういう音を聴いてたのは大きいかもしれないです。

 

HONGOU
最近になってインストのビートライブが増えてビートメイカーがフィーチャーされてる感じがするけど、アメ村では確か7,8年くらい前にラッパーのSUPER Bがビートのバトルを開いたことがあって。そのジャッジで呼ばれたことがあったな。

 

Jambo Lacquer
ありましたありました!それ僕エントリーしてましたよ!盛り上がってましたよね。

 

HONGOU
そうなんや!あの時の優勝はENDRUNやったかな。ビートをジャッジするっていうのがめっちゃ難しかったけど、あれは新しい発想やったし今開催したらもっと面白いと思うな。

 

Jambo Lacquer
もうモグラみたいな人がいっぱい出てくるんでしょうね!「こんな人いたんや」みたいな(笑)

 

―Jambo Lacquerさんは、いろんなビートメイカーの方と音源を作られてきたわけですが、一番最近でいうとOlive Oilさんとのユニット「OILLUCQUER」名義のEP”SAKIGAKE”が配信開始になり、MVも公開されました。(この対談の前日に公開)

 

Jambo Lacquer & Olive Oil / SHINOBI

 

Jambo Lacquer
今までいろんなビートメイカーと曲を作ることは結構あったんですけど、合作でアルバムを作るのは今回Oliveさんとが初めてです。これは実は何気ない会話がきっかけなんです。ある日Oliveさんとイベント一緒になることがあって、楽屋で

「Oliveさん、出番何時からですか?」
「~~時からだね」
「あ、じゃあもうゆうてる間っすね」

っていうやりとりがあって。Oliveさんがその後「”ユーテルマ”ってどういう意味?スラング?」って聞いてこられて。確かにこれ関西だけだなと思って説明していたら、「”ゆうてる間”っていいね」ってなって(笑) そこで盛り上がって一曲作る流れになりました。そこからトラックが追加で送られてきてそれに返していくうちに楽しくなって、そのままアルバム作りに繋がりました。

 

HONGOU
確かに「ゆうてる間に…」って関西だけかも!ざっくりしてるよな、関西弁って。

 

―Jambo Lacquerさんの曲はフックでのメロディラインが印象的ですが、ラップをやり始めた頃から、歌いあげるというスタイルだったんですか?

 

Jambo Lacquer
「メロディでやりたい」っていう意識はなかったですけど、小さい頃から歌が好きだったので、ラップをやりだした時も自然に音程のあるラップをしていました。

 

 

HONGOU
ジャンボの曲はメロディが耳に残る。今回のOliveさんとの曲も、よくあのトラックに対してあのメロディラインが出るなと思う。

 

Jambo Lacquer
Oliveさんから送られてきたトラックを最初に聞いた時の感覚が勝負というか。何も考えずに出来るだけその時に浮かんだメロディを乗せるように意識してますね。時間が経つとフレッシュに捉えられなくなるので。

 

HONGOU
天才肌やわ。

 

ー普段とは違う自分になる。スイッチの入れ方ー

―お二人とも国内外を飛び回られてきたわけですが、今まで行った街や国で印象に残ってるエピソードがあれば教えて欲しいです。

 

Jambo Lacquer
21歳の時にNYに放浪の旅に行ったことがあって。現地の人と連絡を取り合ってくれるエージェント役の人がいたんですが、その人が詐欺師だったことがあります。当時、NYで現金を持ち歩きたくなかったので、クレジットカードを作って日本にいるそのエージェントに連絡を取って必要な分だけ振り込んでもらうという形を取ってたんですね。ただ、ある日から全然お金が振り込まれなくなってて。調べたらどうやら僕が預けたお金を持って飛ぼうとしてたみたいで。幸いその人は兄貴の知り合いだったのでなんとか見つけてもらって、最終的にお金もかえってきたんですけど、NYにいる間3ヶ月くらいずっとひもじい生活でした(笑) だから「YES」と「NO」くらいしか喋れない状態だったのに、会社のオフィスに弁当を販売しに行くバイトとかしましたよ(笑)

 

―それはそれですごい経験ですね…!HONGOUさんはいかがですか?

 

HONGOU
俺は15年くらい前、DVDの撮影でXXX-LARGEとHEX BEXでNYに行った時の話やねんけど、撮影終わってからさらにもう数日CHEKEとNYに滞在してて。ある日俺が風邪引いて熱がめっちゃ上がってしまってさ。現地の薬局に行ったものの英語で「風邪薬」ってなんていうかわからなくて。俺の中で風邪薬は「コンタック」しか思い浮かばなかったから、薬局のお姉ちゃんに「コンタック!コンタックくれ!」って言い続けた。そしたら何かを売ってくれたんやけど、部屋帰って開けたらコンドームやった(笑) もう爆笑!

 

Jambo Lacquer
(笑) 風邪には一切効かないですもんね(笑)

 

HONGOU
その店員のお姉ちゃんからしたら「日本人がすごい勢いで『コンドーム欲しい』って言ってくる…」って感じやったんかもな(笑)

 

―今回のSOWL VILLAGEでは、Jambo Lacquerさん、DUSTY HUSKYさんの貴重なライブも観れるということで。まずお二人が一緒に曲をやるようになったきっかけが気になります。

 

Jambo Lacquer × DUSTY HUSKY “MIZUWARI”【MV】(prod. BomJa Break)

 

Jambo Lacquer × DUSTY HUSKY “ロール・プレイン”【MV】(prod. BomJa Break)

 

Jambo Lacquer
一番最初はダイナリ(DINARY DELTA FORCE)がファーストアルバムをリリースして、アメ村でライブするところにたまたま遊びに行ったのがきっかけです。その前から「やばい奴らがいる」っていうのは聞いてたんですけど、ライブのあとに色々話してたら、ダイナリとWARAJIが色々共通することが多かったんです。みんな幼馴染同士で同い年っていうところだったり。そうやって初めて仲良くなったのが2011,2年くらいで、そこらへんから藤沢に呼んでもらったり大阪に呼んだり。そういう流れから藤沢のMCと曲を作るとなったときに、最初の「LA LA LA」「MIZUWARI」ができました。ニケとは一緒に遊ぶ時間が一番多かったですね。

 

RHYME&B × SHEEF THE #RD feat. JAMBO LACQUER – La La La (Prod by NAGMATIC)

 

―Jambo Lacquerさんが所属する「WARAJI」の皆さんが主催されている入場無料の音楽フェス、エアコン(=Air Controller)も全国的に人気で、もちろんDUSTY HUSKYさんがライブされたり、HEX BEX + sucreamgoodmanが出演した回もありました。

 

WARAJI https://www.instagram.com/waraji_crew/

踊る阿呆 (観てる阿呆) MV

 

HEXBEX+sucreamgoodman 2015 エアコン

 

HONGOU
よくエントランスフリーで続けてるなぁと思う。1000円でも取ったらいいのに!

 

WARAJI緊急記者会見in COCOLOBland

 

Jambo Lacquer
そうですね。基本はドリンク代だけですね。だから天気が良くなくてドリンクの売り上げが悪い時は、主催サイドのみんなの顔がだんだん曇ってきます(笑)

 

 

HONGOU
でも、フェスにはフェスの良さがあるよな。一体感があるといいうか。「みんなでこの地にいる」っていう。去年の11月に沖縄であった「波の上フェス」もめっちゃよかった。フリーのエリアと有料のエリアに分かれてていろんなところで遊べるのも面白かったし。RITTOのライブとか最高やったな。

 

Jambo Lacquer
波の上は確かにめっちゃよかったですね!

 

―最後になりますが、そうやって各地のイベントやフェスに出演されてきたお二人が、ショーケースやライブの本番前に必ずやっていることやジンクスのようなものがあれば教えていただけますか?

 

HONGOU
今はやってないけど、ちょっと前は「普段とは違う自分になる」って思いすぎてて、壁に向かって白目むいて、ケツに力入れて興奮するっていうのをずっとやってた!(笑)

 

Jambo Lacquer
すごいですね!HONGOUさんしか知らないジンクスですね(笑)

 

HONGOU
壁に向かってプルプルしてる奴とか、知らん人からしたら怖いと思う(笑)

 

 

Jambo Lacquer
自分は、移動中も現場に到着してからもだいぶ緩くて、本番1時間前とかまでは極限まで緩いんですけど、そこから徐々にスイッチを入れます。緩すぎると良くないのでわざと自分を緊張する方に持っていくようにしますね。昔は緊張が嫌で、直前も出来るだけソワソワしないようにっていうマインドだったんですけど、気づいたら逆になりましたね。

 

HONGOU
わかるわかる。わざと自分を緊張させる感じあるよな。あとは、今回のSOWL VILLAGEでいえば、せっかく関西から行くわけやし、しょうもないショーは絶対したくない。とりあえずナンバーワンになるっていうのは絶対ある。そういえばジャンボとニケの二人が揃ったライブは見たことないかも。当日観れるの楽しみやわ。

 

Jambo Lacquer
以前、北海道の旭川に呼んでもらって二人でライブした時は、ニケのセットをやった後に僕のセットをやって、ラストに二人の曲っていうふうに展開していったんですけど、ライブが終わってから「混ぜてやってもいいかな」と話したりもしました。今回もニケが日本に帰ってきてから色々合わせたりして決めていく予定です。’CITTAでやるのは初めてなので楽しみですね。

 

 

たばこの煙を燻らせながらゆったり語り合う二人のルーツは対照的かつ独特なものだった。そしてそのルーツが繊細さやあるいは野生みに多大な影響を与えていることは間違いない。
大阪代表としてSOWL VILLAGEに参戦するHONGOUとJambo Lacquer。彼らが当日どんな姿を見せてくれるのか。楽しみでならない。

 

ロケーション:Clutch(クラッチ)

大阪アメリカ村の南部に位置する鴨肉料理屋。地元大阪の河内鴨を使用した本格的な鴨料理をはじめ、多彩なメニューを堪能できる。店内はペインターの作品が飾られ、またアーティストのPOP UPが開催されることもあり、夜な夜な賑わいを見せている。

https://clutch0215.owst.jp/

 

インタビュー/構成 : Seiji Horiguchi
写真 : Jyunya Fujimoto

 

Seiji Horiguchi
フリーライター。新聞記者を夢見る学生時代を経て、気づけばアメ村に。関西を中心としたアーティストのプロフィール作成やインタビュー記事、イベントレポを作成。大阪アンダーグラウンドにアンテナを張りつつ、ストリートカルチャーの「かっこいい」を広めるべく執筆中。

Instagram Seiji Horiguchi

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